野菜をもっとおいしく。「コンポスト」で生ごみを減らしながらより豊かな生活をつくろう

compost

からだに必要な野菜。どうせならおいしくいただきたいですよね。

みなさんは、「コンポスト」をご存じでしょうか?
生ごみを減らしながら、よりおいしく野菜がいただける方法として、最近人気が広がっているのです。

今回は、このコンポストについてご紹介します。

そもそもコンポストって何だろう?

毎日の料理で出る野菜くずなどの生ごみを発酵・分解させることで、野菜づくりに欠かせない肥料(堆肥/たいひ)にすることができます。「コンポスト」とは、この堆肥のこと。

コロナ禍でおうち時間が増え、ガーデニングや家庭菜園を楽しむ人が増えています。そんな中、コンポストも注目を集めているようです。

コンポストは最近生まれたものではなく、日本で古くから伝承されてきた知恵の一つでもあります。今でも農家では畑のそばに大きなバケツや鉢のような容器を設置して、コンポストをつくっているところもあるようです。

そんなコンポストの大きな魅力は、家庭から出る生ごみを減らせること。
また、堆肥で育った野菜や果物は栄養価が高く、自然の栄養分だから安心して食べられます。 家庭で簡単にできる方法として、最近では、電動型のコンポストのほか、トートバック型のコンポストも発売されています。どれも気軽に始められ、長く続けるための工夫がされています。

出典:LFCコンポスト

ごみの埋立地、約20年後に満杯になってしまうって本当?

環境省が発表した一般廃棄物の排出及び処理状況等の調査結果によると、ごみ総排出量は4,274万トン。数字だけではピンとこないかもしれませんが、東京ドーム約115杯分もの量だそう! 

また、この調査では、ごみの埋立地はあと21.4年で満杯になるというショッキングな結果も発表されています。
前回のコラム「約20年後に、日本のごみは満杯に?!マイバッグ持参だけじゃない、簡単にできるごみを減らす工夫」でも詳しく説明しましたが、深刻な課題として関心を集めています。

その中で、日々の生活からごみを減らすためにできる方法として見直されているもののひとつが、コンポストなのです。これからもコンポストを活用して、無理なく、楽しみながら環境に優しい生活をしていく人が増えていくでしょう。

出典:令和3年3月30日 環境省発表 「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)について」

自分でコンポストをつくる時のポイント

コンポストをつくる容器(コンポスター/生ごみ処理機)には、電動式、手動式、消滅型の3種があります。

電動式は、さらにバイオ式、熱乾燥式、ハイブリッド式がありますが、最近多いのは温風で乾燥させて堆肥化する熱乾燥式。キッチンの流し台におけるコンパクトなものも! こちらは生ごみを土と混ぜて、堆肥にします。

バイオ式は、機械の中におがくずのようなチップ(微生物入り)が入っていて、微生物が生ごみを水と炭酸ガスに分解します。生ごみを入れてふたをするだけなので、使い方も簡単ですね。

ハイブリッド式は、バイオ式と熱乾燥式のいい所取りをしたもの。生ごみを乾燥させ、微生物による分解処理もするため、より効率的に堆肥をつくることができます。

電動式は簡単に使えるのが良いのですが、月々の電気代が気になりますよね。その点、手動式は電気を使わず、手動で生ごみとバイオチップを混ぜ合わせることで堆肥化させられるところがメリットです。

消滅型は、従来からある、土を掘って埋めるバケツ型のコンポスターのこと。中に生ごみを入れてふたをすることで、土の中の微生物によって生ごみが分解され、堆肥になります。

その他、ダンボールに生ごみと資材を入れて混ぜ合わせるダンボールコンポストや、トートバッグ型のコンポストもあります。トートバッグ型はそのままプランターになるため、中に種を蒔いて野菜を育てることができます。キッチンやテーブルに置けばインテリアにもなるので、気軽に取り入れられそうです。

どのコンポストも、悪臭を予防するために、生ごみの水をしっかり切っておくことが重要です。新鮮なうちに投入することもポイントだそう。

農家とつながり、おいしい野菜を身近に感じながらコンポストを楽しむ取り組みも

家庭の生ごみの減少化や資源化を進めるため、コンポストなどの生ごみ処理機の購入費を一部助成する自治体も増えているそうです。ご自身が住む自治体でも、実施しているかもしれません。気になる方は、ぜひ調べてみてください。

出典:
栃木県益子町 くらべてみよう!生ごみ処理機
茅ヶ崎市 家庭用生ごみ処理機(手動式・電動式・消滅型)の購入費を一部補助します!(PDF)

農家と消費者がつながる試み

また、農家と消費者がつながる試みも広がっています。

川崎市では、2021年6月から市内8か所の農家と提携し、消費者が持ち込んだ堆肥で野菜を栽培する「eco-wa-ring Kawasaki(エコワリング川崎)」をスタートしました。農家は堆肥を持ってきてくれた家庭に収穫した野菜を配ったり、市内のマルシェで販売もしているようです。農業体験に参加できるプロジェクトも予定しているそう。

青山ファーマーズマーケットでは、家庭でつくった堆肥を農家に渡し、その堆肥で育てた野菜がまた家庭に戻るという、循環型に重点を置いたプロジェクトに取り組んでいます。ごみ問題の解決だけでなく、人と人、人と自然をつなぐプラットフォームとして広げていきたいそうです。

こういった取り組みに参加すると、スーパーで野菜を購入しているだけではわからない、農業の苦労やたのしさ、野菜の大切さなども感じられそうですね。

コンポスト、試してみたいですね!

毎日、家庭から出る生ごみ。ごみの問題は年々深刻さを増していますが、コンポストなど、私たちにもできることがまだたくさんありそうです。さらに地域や農家とつながれば、コミュニティでの活動としてより楽しみを感じることができそう。

自分のライフスタイルに合わせた方法で、楽しみつつ課題解決に貢献できるといいですね。

出典:
川崎市ホームページ
川崎市「eco-wa-ring Kawasaki」公式サイト
日本経済新聞「川崎市、生ごみ堆肥を都市農業に活用」
Farmers Market @ UNU「生ごみが野菜になって家庭に還る」循環型のCSAの運用をスタートします


yaunn 編集部

皆さんはコンポストの取り組みについてどう感じましたか?

Hさん

欧米のスローフード文化のように、地域コミュニティの重要性を感じました。
ゴミ問題や資源の問題は、物理的な世界の話であり、IT業界や情報産業のような二次関数的なブレークスルーは起こり得ない。
出た野菜のゴミを堆肥にして循環させることは、一つ一つは小さな取り組みだが、循環させていく「堅実な取り組み」を文化としてネットワークとして進めていくことが大事なんだと思いました。
そういう村とかあるのでしょうか?

Mさん

コロナ禍で、家で過ごす時間が増えたことで、家から出るゴミの量が大幅に増えました。生ごみは臭いも気になります。
家で野菜は作っていませんが、コンポストがゴミ問題の取り組みとしてよさそうに思いましたので、試してみたいと思いました。

yaunnについて

「使う」「食べる」など、日常生活を通して考える力を養い、自ら思考し、判断する人を増やしたい。

yaunnは、身近な生活を通してものごとに興味をもち、自分の視点を養うこと。 それが、さまざまな問題を解決する一歩目になると考えています。

すべての人が自ら思考し、判断する力をもつ。
それによって、世の中はより良い方向へ変わると信じています。

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2021.08.21トピック シェア

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