約20年後、日本のごみは満杯に?!マイバッグ持参だけじゃない、ごみを減らす工夫

新型コロナウイルスの感染防止のために自宅での食事が当たり前になり、家庭ごみが増えたという人も多いのではないでしょうか。

世界的に深刻化しているごみ問題。具体的にどんな問題があり、私たちの暮らしにどんな影響を与えているのでしょうか。また、解決するために私たちは何ができるのでしょうか。

あと20数年で日本のごみ埋立地が満杯に!?

世界中で起きているごみ問題ですが、技術の進歩により大量にモノが生産され私たちの生活が便利になった副産物でもあります。

大量に生産された商品が大量消費された結果、まだ使えるのに捨てられてしまったり、まだ食べられるのに廃棄されたり、大量廃棄を生み出しています。 捨てられた大量のごみは焼却され灰になり埋立地に埋められますが、いったいどのような問題があるのでしょうか。

日本では今、ごみ処理場に余裕がないことが大きな問題になっています。

みなさんのご家庭では、可燃ごみと不燃ごみを分けて出しますよね。それらはごみ収集車で運ばれた後、可燃ごみはごみ焼却施設で燃やされます。焼却の際に出る灰は、不燃ごみを細かく砕いたものとあわせて最終的に埋立地へ運ばれ、処理されます。 「最終処分場」である埋立地は、環境省によると、令和元年度時点であと21.4年しかもたないとのこと。日本は国土が狭く、新しい埋立地を作ることは難しい状況にあります。

出典:令和3年3月30日 環境省発表「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)について」

このままでは約20年後にはごみを埋め立てる場所がなくなってしまいます。この状況を食い止めるためには、一人ひとりの日頃からの行動が大切になってくるといえそうです。

日本中に広がる「ゴミを減らす」取り組み

ごみ問題の解決に向けて、20世紀の「大量生産・大量消費・大量廃棄」の経済システムから脱却し、21世紀は「循環型社会」の構築が推進されています。

「循環型社会」の推進とは、具体的には3R(スリーアール)(発生抑制、再使用、再生利用)の推進と廃棄物の適正処分の推進です。

出典:環境省ホームページより(PDF)

3Rに関するさまざまな施策があるなか、私たちの生活に身近な施策としてレジ袋の有料化政策が進められました(2020年7月1日)。これにより買い物にマイバックを持参する人が増えましたね。多種多様なエコバックがお店に並ぶ光景も日常になりました。

「3R」とは物を大切に使いごみを減らす発生抑制(Reduce)、使えるものを繰り返し使う再使用(Reuse)、ごみを資源として再び利用する再生利用(Recycle)のサイクルを循環させる取り組みのこと。

この中でも、ごみを減らすことが最も重要視されています。

国をあげてごみをなくす取り組みとして、もう一つ、2021年6月1日から小売店舗が消費者に対して商品棚の手前にある商品を選ぶ「てまえどり」を呼びかけています。小売店舗から出る生ごみが大きな問題になっているため、大手コンビニエンスストア4社が中心となって進められています。すぐに食べるものであれば棚の手前から商品を選ぶ。そういう人が増えれば、賞味期限切れの商品が少なくなり大量の食品ロスや生ごみ削減につながりそうです。

出典:経済産業省「プラスチック製買物袋の有料化(PDF)
農林水産省「小売店舗で消費者に「てまえどり」を呼びかけます」

家庭でできる生ごみを減らす工夫

生ゴミの80%は水分といわれています。そのため、家庭から出る生ゴミを捨てる時にはよく水分を切ることがとても大事です。水分が少なければ少ないほど焼却する際のエネルギー効率を上げる効果があり、また悪臭の予防にもつながるそうです。
出典: 環境省(PDF)

「食べ残し? 売れ残り?「フードロス」とはなにか、改めて考えてみる」で「専門家が勧める家庭での食品廃棄削減法」を紹介しました。その8つめにある「生ごみは堆肥にする」について、今、「コンポスト」が話題を集めています。ご存じでしょうか。

「コンポスト」とは英語で「堆肥(compost)」のことをいい、家庭から出る生ごみや落ち葉などを発酵・分解させて堆肥化させること。家庭の生ごみを極力出さないことでごみ問題に貢献しながら美味しい野菜づくりにつなげられることが注目されている理由です。段ボールコンポスト、電動生ごみ処理機、さらに専用バッグなどライフスタイルに合わせて方法を選ぶこともできます。

自分のできることから、循環型の社会をつくっていく

など、明日から私たちにできることがいろいろありそうですね。

できることから無理なく日常に取り入れ、習慣にしていく。そうすることで、ただ捨てるだけだった生活から、ごみ問題を解決するための新生活がスタートできそうです。さらに、コンポストなどで生ごみを有効活用することは、日本が目指す「循環型経済」に近づく行動ともいえます。こうした新しい習慣を少しずつ増やすことで、毎日を楽しみながら環境問題に貢献していけるのかもしれません。

yaunn 編集部

皆さんはごみ問題について、どう感じましたか?

Mさん

日本の最終処分場の残余年数が21.4 年という数字には驚きました。20数年は長いようであっという間。まだ小さな子ども達が大人になった時にごみ問題で大きな悩み事を抱えてしまのは避けたいと思いました。ごみ問題も世界規模なので難しく考えてしまいそうですが、子ども達の未来を守るためにもまずは自分にできることから始めていけたらと思いました。その一つとして、生ごみを捨てる時には水分をしっかりと切る、コンポストで堆肥にするという方法は取り入れたいと思います。

Yさん

「てまえどり」は食品ロスやごみ削減につながるいい活動だと思いました。今までは、消費期限の早い牛乳やお弁当などはついつい棚の奥の方にある商品を選んでいましたが、これからは手前の商品を買うようにしたいです。ごみ問題に貢献できていると思えば、続けられそうです。

yaunnについて

「使う」「食べる」など、日常生活を通して考える力を養い、自ら思考し、判断する人を増やしたい。

yaunnは、身近な生活を通してものごとに興味をもち、自分の視点を養うこと。 それが、さまざまな問題を解決する一歩目になると考えています。

すべての人が自ら思考し、判断する力をもつ。
それによって、世の中はより良い方向へ変わると信じています。

yaunnについて、詳しくはこちらをご覧ください。
https://yaunn.jp/about/

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2021.07.18トピック シェア

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