毎日使うモノのことを知る、選ぶ力を磨く。
「ビームスは服だけに頼らない セレクトショップの活路」 日経新聞が2/28、こんなタイトルの記事を配信しました。
ビームスといえば、老舗の衣料品セレクトショップです。記事には「服を売らない」新ビジネスに挑んでいると記載されていますが、セレクトショップが「服を売らない」とはいったいどういうことなのでしょうか。
アパレル業界はこれまで、売上を伸ばすために「大量生産」し、売れ残った商品の値引き販売を繰り返してきました。
その結果、消費者は定価で商品を買わなくなるという負のサイクルに陥っています。
コロナ禍以前からアパレル各社の業績は落ち込み、現在も業界全体がビジネス形態そのものから再構築を模索しています。
参考:セールが無くなる?消費者不在の大量生産は、アパレル業界を苦しめる一因に。
日経新聞の記事によると、ビームスは衣料品に頼らない経営を目指すため、企業や自治体とコラボしブランド開発やイベント運営、宣伝や商品開発まで請け負う「ビームス ビジネスプロデュース」を始めたそうです。ここで活かされたのは、従来の目利き力を生かした新商材=「企画力」でした。
セレクトショップで培った「目利き」を「服を売る」ためではなく、「コラボを企画」するために使う新しい試みだと言えるでしょう。
「互いの強みを出し合って、予想もできない結果が生まれる。こんなに面白いビジネスはないですよ」と、社長の佐野氏は語っています。
そういえば、わたしが小さいころ、母は洋服のことを「既製服」と呼んでいました。 「既製服」とは、「注文服」に対して工場で大量に生産される出来合いの服という意味です。現在、私たちが日常的に着ている服はほとんどが「既製服」だと思います。「注文服」はめったにないため、わざわざ区別して呼ぶ必要がありません。ですが母の時代は、まだ生活の中に「既製服」ではない服がたくさんあったのでしょう。 そう考えると、服はいつから作るものから買うものになったのでしょうか。
辞書によると、
今日のような量産は、ミシンを実用化した19世紀後半のアメリカ合衆国で本格的に始まったそうです。日本では明治の文明開化とともに、マンテル、コートなどの和装外被が普及しました。また、女学生や看護師の制服の着用が始まり、1920年代以降、アッパッパと称する簡単服として洋服の量産が一般化したようです。
第2次世界大戦後は量産品の質・量ともに向上し、現代では衣料の中で既製服が大きな比重を占めるようになりました。
既製服=洋服になっている現代からすると、60〜70年前の日本の家庭に、自分たちで衣類を作るという習慣があったことに驚きます。
たくさん並ぶ既製服の中から自分の好みの服を選ぶことは、ファッションの楽しみ方のひとつです。
ですが、刷新を目指すアパレル業界自身が、自ら生み出してきた「既製服」に疑問を持ち始めたのかもしれませんね。
yaunnプロデューサー Tomomi Jinno
誰もが自分でデザインや裁断・縫製ができるわけではないので、「既製服」はビジネスとして成り立つと思いますが、売上を伸ばすため(安く生産し安価に売るため)に量産しすぎたという面があると思います。
同じようなデザインの量産品をたくさん買うことがよい消費なのだろうかと、疑問を持つ消費者も増えていると思います。アパレル業界が今までとは異なるスタイルになったとしても、消費者はその変化を受け入れるのではないでしょうか。
「使う」「食べる」など、日常生活を通して考える力を養い、自ら思考し、判断する人を増やしたい。
yaunnは、身近な生活を通してものごとに興味をもち、自分の視点を養うこと。 それが、さまざまな問題を解決する一歩目になると考えています。
すべての人が自ら思考し、判断する力をもつ。
それによって、世の中はより良い方向へ変わると信じています。
yaunnについて、詳しくはこちらをご覧ください。
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“周りの目を気にしない、自己表現の手助けになる服”
デザイナーの岡村さんは、性別にとらわれたりコンプレックスを隠すのではなく、自分らしくあるために服を着てほしいと考えています。
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