毎日使うモノのことを知る、選ぶ力を磨く。
百貨店やオフィス、それぞれの家庭でも電力不足解消のために節電対策をしていますね。冬場は「厳冬のため」、夏場は「猛暑のため」と毎季節ごとに電力不足の話が出てきますが、そもそもなぜそのような状況になっているのでしょうか?
<記事のポイント>
・今冬が厳冬になった場合、一般家庭で約110万世帯分の電気が全国で不足する見通し
・1月までに150万キロワットの火力の再稼働を検討しているが、稼働が不安定
・16年の電力自由化で競争が激化、電力会社は利用率や収益が悪化した火力を減らした
・ロシアからの液化天然ガス(LNG)の輸入が止まるとさらに400万キロワット強の火力が動かなくなるとの試算も
・原子力規制委員会の安全審査を通過した原発は17基。うち、稼働しているのは4基
・原子力が全て動けば十分賄えるが、課題が多くすぐには動かせない
・蓄電池は工事に1年半程度かかるため、今冬には間に合わない
・英国は安定供給のため再生エネや原発の増設計画を公表。ドイツはロシア産ガス代替のLNGのための受け入れ基地を造る。
・日本も新たな戦略が求められている
<記事のポイント>
・東京電力ホールディングスと中部電力が火力発電・燃料事業を統合したJERAは、カタール産のLNG500万トン超(年間ベース)の引き取りを終了
・ロシア産LNGの途絶におびえ、電力の供給力確保に苦しむ足元の状況とのちぐはぐさ
・カーボンゼロをけん引してきたEU、自由化で先行した英国は原発を新設
・日本は東日本大震災後、①福島第1原発事故の処理と東電の再建②原発の位置付け③電力・ガス市場の自由化――の3つの難題に直面している
・エネルギー安保のリスクとコストを国、国民、企業がどう分担するか、脱炭素と安定供給を一体化し、経済成長につなぐ長期戦略が必要
街中でも電光掲示板を暗くしたり、節電していますね。どの程度の効果があるのでしょうか。東日本大震災の時は計画停電もありみんなが節電に協力しましたが、その時からエネルギー政策はどうなっているのでしょうか。
テレビでも、各放送局が節電のためにスタジオ照明を暗くして報道しているのが気になります。放送の品質を多少落としてまでも、身をもって節電を訴える姿勢から、今回の電力不足は本当に真剣に向き合うべき課題なのだと感じます。 思い返すと、東日本大震災の際には電力不足の要因が明確でしたし、節電要請にはどうしようもない納得感がありました。 今回の電力不足は ・火力発電の燃料筆頭であるLNGの調達価格・リスクが高まっていること、 ・火力発電所の休廃止が進み電力の供給力自体が落ちていること、 ・猛暑、 といった多くの要因が絡まっていますが、とても厳しい見方をすれば、各要素とも中長期的な視野で適切なリスクヘッジをしていればもう少し経済に負担を掛けないかたちにできたのでは、と思うこともあります。 社会の大きな流れでは、電力の供給サイドも需要サイドも、脱炭素・脱原発に向けて歩んでいますが、ここのところ供給サイドにはかなり無理が生じているのではと心配になります。
『萩生田光一経産相は「家族で部屋を分かれてエアコンを使わず、テレビは一つの部屋で見てもらう試みで乗り越えていける」と5月下旬に発言。節電頼みを改めてにじませた。』この発言は、日本の暗い未来を予測するに値しますね。 2020年末の電力のひっ迫は、寒波により需要が上がった時期にLNG(液化天然ガス)が不足したことが原因でしたね。 今回はそれに加えてロシア軍のウクライナ侵攻の影響もあるようですが、火力発電所の停止や原発を動かせないことの影響は分かっていたことなのではないかと思います。 "節電節電"でくら~い日本にならないように、安定供給してほしいですよね!
ロシアのプーチン大統領は6月30日、「サハリン2(石油・天然ガス開発事業)」の運営をロシア側が新たに設立する法人に移管し、現在の運営会社の資産を無償譲渡するよう命じる大統領令に署名しました。 ロシア産のLNGが調達できなくなる可能性が高い中、JERAはカタール産の引き取りを終了したんですね。 エネルギー政策を考えるうえでは、原発再稼働の議論は欠かせません。 わたしたち消費者側も目を背けずに考えるべきですね。 三菱重工はトラック輸送できる超小型原発を開発しているようですが、このような新しい技術が出てくると見方も変わってきそうですね。 三菱重工、トラック輸送できる超小型原発 30年代商用化
記事を読んで、皆さんはどう感じましたか?
ぜひ、家族や友人など、身近な人との会話の中でこの話題に関する素朴な疑問や思いを共有してみてください。そこから、なにか発見や新たな気持ちが生まれるかもしれません。
「使う」「食べる」など、日常生活を通して考える力を養い、自ら思考し、判断する人を増やしたい。
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