Shirts – #3 Fabric

『yaunnのシャツの生地』

yaunnがなぜ、生地のことを伝えたいのか。

私たちが普段服を選ぶとき、見た目やデザイン、着心地や価格で選ぶことが多いと思います。
加えて、生地の素材や洗濯のしやすさなどの情報を加味し、着るシチュエーションやライフスタイルと照らし合わせて、自分に合うものを選ぶことが多いと思います。

しかし、その服になぜ光沢感やしなやかさが備わっているのか、なぜ着心地がよいのか、その所以まで考える機会は少ないのではないでしょうか。

yaunnのシャツを作る過程で、私たちは生地の生い立ちに触れる機会がありました。
服にとっての最大の構成要素である生地。
生地を紐解いていくと、そこには糸を織る技術や手間だけではなく、生地の企画や、企画通りの色に染め上げる技術、素材のよさを引き出す織り方など、たくさんの工程が有機的につながっていることを知りました。
生地の理解を深めること、それは私たちが着ている服について知ることに繋がります。

綿から糸へ、糸から生地へ。
そしてシャツが出来上がります。
yaunnのシャツを通して、広く深い生地の世界の入り口にいざなえればと思います。

生地の生い立ち・植山グループについて

yaunnの生地の担当をしてくださった、植山グループ 小菱産業の桑島さんへのインタビューを元に、yaunnのシャツ生地について伝えていきたいと思います。

植山グループ 小菱産業 桑島ゆりえさん 植山グループ 小菱産業 桑島ゆりえさん

yaunnのシャツ(#S001#S002#S003)は、植山グループのシャトルノーツの生地を使用しています。
シャトルノーツとは、植山グループが企画・生産する播州織のブランド名です。

植山グループは、兵庫県西脇市の幡屋(織物屋)から始まり、生地販売の卸業、アパレル製品の企画・製造・販売業と、西脇市の産業の発展とともにその範囲を広げていきました。

播州織の技術とは

播州織とは、兵庫県の播州地方の織物のこと。
糸の状態で先染めして織るのが播州織の特徴と言われています。

では “先染め”とはどういう染め方なのでしょうか。

生地の染色には大きく3つの方法があります。

① 綿の状態で染色する
② 糸の状態で染色する
③ 生地の状態で染色する

先染めとは、の糸の状態で染める染色方法を指しますが、播州織は、まず糸を様々な色に染め、その糸を使って織り上げるため、チェックなどのカジュアルなシャツに使われることが多い織物です。
この染色と織る技術は、無地の織物にも活かされていて、yaunnの無地のシャツ(#S001#S002#S003)も、播州織の技術により生み出された生地を使用しています。

yaunnのシャツの生地

では、糸を染め上げる技術とはどういうことを言うのでしょうか。

生地の企画について

その前に生地作りのプロセスについてお話したいと思います。

新しい生地を作るプロセスは、“どのような生地をつくるか”という企画から始まります。
最終製品を想定し、それを実現するために必要な生地を先んじて企画する。
すなわち、トレンドを先取りする企画を考えること。
こういう服を作りたいと思った時にそれに合う生地を選んだのではなく、実は生地はその服を想定して作られていて、大げさな表現かもしれませんが「まさに選ばれるのを待っていた」と、そう考えると逆説的で非常に興味深い話だと思います。
時代の先端を行くことが生地の企画に求められることなのです。

話は戻って染色についてですが、この色の生地を作りたいという企画に対して、染色の職人は企画通りに糸を染め上げなければなりません。
綿の状態によって染まり具合は変わってきますので、都度、前処理での調整をしています。
同じ産地の綿だったとしても、その年々で育った気候が違ったり環境が違ったりするため、染まり方は異なってくるのです。
加えて、染められた糸の状態によって最適な織り方も変わってくるため、同じ生地は二つとない一期一会と言えるでしょう。

yaunnのシャツの生地

桑島さんの思い

植山グループ 小菱産業 桑島ゆりえさん

植山グループの桑島さんにyaunnの生地を通してお話を伺い、生地作りの世界をほんの少しですが知ることができましたが、桑島さん自身、なぜこの世界に入られたのでしょうか。

もともと洋服が好きで消費者の立場で生地に関わっていた桑島さんですが、「生地があって洋服になる、生地を知ればいい服が作れるのではないか」という思いから生地の世界に飛び込んだそうです。
生地を作るには、トレンドを知らなければならない、ファッションの先端でなければならない。
時代のトレンドやカルチャーを掘り下げたいという思いで、取り組んでいらっしゃいます。
このたびは生地について知る機会を与えていただき、ありがとうございました。

yauunの生地について

#S001の生地 (綿 100%)

yauunの生地について

~しなやかさと光沢を兼ね揃えた生地~

#S001は、少し厚手でブルゾンのような形のシャツですが、エジプトのGIZA(ギザ)産の綿から作った生地を使用しています。
GIZA綿というのは繊維長が長いため光沢感があり、バルキーな手触りが特徴です。
80番手(糸の太さを表す単位で、数字が大きい方が細く、80番手というのは細めの糸です)の糸を2本ねじり合わせ1本にし、綾織で織っているため、少し厚みがある生地に仕上がっています。
(綾織というのは、縦糸に対して横糸が一本飛ばしで織られる織り方で、生地を見ると斜めに織られているように見えるのが特徴です。)

しなやかさと光沢感を兼ね備えた風合が出ている生地です。

産地 : GIZA(エジプト産)
摘み方 : 手摘み
糸の太さ : 80/2双糸
織り方 : 綾織(通常よりゆっくりと織っているため、バルキーな生地がしなやかに織り上がっています)

#S002の生地 (綿 100%)

yauunの生地について

~パリッとしたハリ感と光沢感が醸す上品な生地~

#S002は、アメリカ産のピマコットンから作られた、タイプライターと呼ばれる生地を使用しています。
タイプライターは、打ち込み(1インチ平方内の縦横の糸の本数)が多いのが特徴ですが、70番手/1(糸の太さを表す単位で、数字が大きい方が細い)の糸を平織りで200本近く打ち込んでおり、パリッとしてしっかりと固い生地となっています。

打ち込み本数が多く繊維がぎゅっと締まったタイプライターは、一般的に『縫いにくい』と言われていますが、#S002はくるめコーポレーション(シャツの縫製工場)で丁寧に縫製してもらいました。
このハリ感と光沢感は、一度着たら癖になりそうです。

産地 : アメリカ産 ピマコットン
摘み方 : 機械摘みでコンタミが少ない
糸の太さ : 70/1
織り方 : 平織り

#S003の生地 (モダール 90%, シルク 10%)

yauunの生地について

~ナチュラルでやわらかいドレープの楽しみ~

#S003の生地は、モダールが90%、シルクが10%の混紡糸のやわらかい生地を使用しています。
モダールとは、ブナという木材を原料としたレーヨンに似た生地で、レーヨンの水に弱いという欠点を克服した進化系の素材と言われています。
(ご自宅でも洗濯しやすい生地です。)
このモダールに、糸を撚る段階でシルクと混ぜ合わせ一本の糸にしていて、その糸を平織りで織っています。
モダールとシルクは本来染め方が異なり、モダールの染色方法ではシルクは染まりにくいという特性がありますが、この生地はモダールを染める反応染料で糸を染めることで、ナチュラルで独特な風合いがでています。

モダールとシルクが合わさった、ドレープ性がある柔らかくてナチュラルな風合いの生地。
朝起きた時に最初に触れたくなる生地です。

糸の太さ : 50/1
織り方 : 平織り

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